下町ボブスレー「優勝!」

12月23日(日)長野スパイラルで開催されたボブスレー全日本選手権、女子2人乗の部で吉村・浅津組が優勝、記念すべき全日本三連覇は下町ボブスレーで達成されました。

昨年の優勝タイムを大幅に更新する55秒23、55秒79、あと0.1秒でコースレコード更新でした。

会場となった長野スパイラルは、東京のキー局すべてのTVカメラ、新聞、雑誌など取材陣で足の踏み場もないほど。シェイクダウンから数えて延べ4日、8本の滑走テストでプロトタイプの域を出ていないソリ、多くの報道陣に囲まれて重圧もすごかったと思います。吉村・浅津組、「優勝」という結果を残して下さりありがとうございました。

12月12日-13日のシェイクダウン。12日はメディア非公開、完成したボブスレーの各部をチェックしながら確実にひとつ一つテストします。ウエイトも積まずオリンピック3大会出場のボブスレーパイロット脇田さんがテスト走行を繰り返します。9年ぶりにソリに乗ったというが57秒、56秒とタイムを出す。さすが元オリンピック選手です。

この下町ボブスレーは、レギュレーションに沿って設計されていますが、脇田さんのアドバイスが細部にまで行き届いています。そう、脇田さんが現役の時に「こんなソリが欲しい!」が実現されています。速くて当たり前かも知れませんが、選手の思いを実現したのは下町ボブスレープロジェクトのプロフェショナルな技術とチームワークです。

13日のシェイクダウン二日目、2010年、2011年と連覇している吉村・浅津組は、昨年の優勝タイムを更新するチーム新記録でテストを終えます。そして「下町ボブスレーで全日本に出たい!」と申し入れがありました。

下町ボブスレーは一号機のプロトタイプ、全日本選手権に出場するにはレギュレーションに合致させる必要があります。シートとリアアクスルはテストで位置決めするため可動式としていました。可動式はダメ、溶接で接合する必要がありこの部分の造り直し。選手要望のボティ後半部分の変更、テストで発生した不具合対応・新規部品の製作、これらを14日から18日までの5日間で成し遂げなければなりません。下町ボブスレーは見事なチームワークで18日午後に完成させ長野スパイラルに送り出しました。

昨年の残暑厳しい頃からの下町ボブスレープロジェクトが走馬灯のように脳裏に映し出されました。12月26日のテストを無事に終えソチ冬期オリンピックへの第一ステップは終わりました。

プロトタイプのボブスレー一号機は不具合対応(まだ終わっていない箇所があります)、選手の要望の組込み(始まったばかり)、突然決まった全日本選手権出場に向けたレギュレーション対応、関係者の皆さんお疲れ様でした。ご支援して下さった皆さんありがとうございました。ソチ冬期オリンピックに向けた第二ステップが始まります。

 

TEXT 井上 久仁浩